善知識とは

歎異抄では親鸞聖人が「善知識（法然上人）の教えによって、たとえ地獄に堕ちたとしても、まったく後悔しない」と述べたと書かれています。それほどまでに信頼された善知識とは何なのでしょう。
「私は知識がないから」というように一般には知識とは、知っている内容や事柄を指します。ところが、仏教ではこの「知識」という言葉は、数量で測られる知識ではなく、師匠や友人を意味します。仏道を学ぶ上での善き師・善き友を「善知識」といい、それとは逆に悪い師や友は「悪知識」といいます。
ご稽古事やスポーツでも、勉強でも先生や友人がいることはありがたいものです。もし知らない土地で迷えば道を教えてくれる人を望むでしょう。
まして仏道修行の場合などはなおさらです。善知識がいなければ、悟りや救いを得ることはできません.

自分がこの世に生まれた意義を尋ね、それを明らかにしようと志す求道者にとっては、善知識との出遇いは必須のことです。
しかし善知識と悪知識を見分けることは容易なことではありません。そして善知識に出遇うことは本当に大変なことです。私たちはその道を日々求めていかなければなりません。