葬式と仏教のかかわり

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葬式と仏教のかかわり

住職ブログ

2019/07/18 葬式と仏教のかかわり

「葬式仏教」という言葉があります。現在では仏教を批判するような使い方が主ですが、かつては仏教と葬式はあまりかかわりがありませんでした。仏教が日本に入ってきたのは奈良時代のことです。そのころの日本人の感覚では「死」は穢れたものであり、僧侶がそこにかかわることは穢れに触れることとして避けられていました。ですから身分の高い人の死にたいっしては僧侶も関わりましたがそれ以外は僧侶といえども死とのかかわりを避けてきました。また、ぶっきょとともに死者を火葬するということも日本に入ってきましたが、これも経済的に余裕のある場合に限られていました。一般の人々はどうしていたかというと、河原や山の中などに捨てられていたようです。遺棄された遺体は動物や鳥に食べられ、残った部分もやがて土にかえっていったようです。
そのような中、鎌倉時代になると仏教と特権階級のものではなく一般庶民のなかにも広げようという動きが出てきました。浄土宗や浄土真宗などの鎌倉新仏教といわれるものです。親鸞聖人や法然上人もこのような中から出てきました。
これらの僧侶によって一般庶民の願いに寄り添う形で新しい儀式や法要を生み出しでいく中で仏教が葬儀にかかわるようになりました。今まで亡くなった方を送ることができなかった人々の思いを仏教者がケアしていくようになったのです。
今では否定的な意味合いの強い「葬式仏教」ですが、かつては僧侶の真摯な思いから始まったということを思い出し、現在の葬式仏教を見直すことが必要なのでしょう。

 

 

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