真宗門徒は仏教に「自分」を学ぶ。

自分が本当に大切ならば、自分というものを正しく知らなければなりません。自分はいったいどういうものの考え方をしているのかを知らなければなりません。自分自身のことをよくわかっていないのに、自分が一番よく知っていると思っているのが私たちです。そのような私たちですから、良かれと思っていろいろなことをしますが、それが案外よかれにならず、かえって自分の首を絞めるようなことになります。今の世の中はどんどん便利になっています。できるだけ無駄なことは機械がするように、人間はどんどん楽に生きられるようにとみんなで頑張ってきて今の世の中ができてきました。確かに世の中は便利にはなりました人は幸せになってでしょうか。あふれる情報に押し流されて立ち止まる余裕もなく、ただひたすら走り続けているのが私たちではないでしょうか。便利になるようにと作った機械に使われているのが今の人間かもしれません。
私たちは自分というものを知っているようだけれども、本当の意味で自分の心のありようを知っているかというと怪しいものです。仏さんに教えてもらわないとわからないのではないでしょうか。「仏教に学ぶ」ということをしなければいけない理由はそこにあります。