自分では気が付かない「あべこべ」の世界。

自分たちがしていることに、「これは反対だなあ」と気付くということが、「南無阿弥陀仏」の世界です。
でも反対だということに自分ではなかなか気づくことができないのが私たちです。例えば学校の校則などに決め事で考えてみてください。もともとは学生生活をしっかり過ごすための決まりであったはずです。「靴下の色は白」「髪の毛は黒」などは浮ついた生活態度にならないようにとの配慮からできたことでしょう。しかしいったん校則が決まってしまうと、それが独り歩きして決まりを守ることが目的になってしまします。ちょっとした模様が入っているだけでこの靴下はダメとなり、挙句にはもともと茶色い髪の毛をしていると染めて来いということになります。（私も高校の時に言われました。）
私たちはわざわざあべこべのことをしようとしているわけではありません。良いことをしているつもりが、あべこべのことをしているのです。人間とは本来そう云うものなのです。ですから、そのことをよく考えないと、大事ではないことに振り回されて本当のことを見失ってしまします。
そのようなあべこべを、仏様の言葉に出会うことによってはじめて気が付くことができるのです。ですから、気付くということは仏さまに出会い、念仏と出会っていることと同じです。