仏法は人生の地図

仏法を聞く事は自分の在り様を知ることです。私たちはこの世に生まれることを願って生まれてきたわけではありません。気が付いたら生まれていたといっていいでしょう。ですから、自分が何者かなぜ生まれてきたかがわかりません。だから迷って当然です。月日がたてば世間で生きていくすべは身についてきます。損か得か、楽か苦か、好きか嫌いか善か悪かといったことを上手に使い分けることができるようになります。このような生き方は順調なときは「生まれてきてよかった」と言えますが、逆になったら「生まれてこなければよかった」となります。しかしそれはどう生きるかがわからずにただやみくもに歩いているにすぎません。
道に迷ったときは地図を見ます。でも地図を見るとき大切なのは今自分がどこにいるか、ということです。自分がどこにいるかがわからないとたとえ目的地がわかってもどちらに向いて歩きだせばいいかがわかりません。現在地と目的地がわかって初めてどちらに進んでいけばいいのかがわかるのです。
仏法を聞くということは今自分がどこにいるのか、お浄土を目指して歩いていくにはどちらを向いて歩いていけばいいのかを聞くということです。