お念仏を唱えさせていただく阿弥陀様の本願

皆さんは「不思議」という言葉をご存知でしょう。辞書を引くと「どうしてなのか、普通では考えも想像もできないこと。説明のつかないこと。また、そのさま。」という風に書いてあります。最近ではかなり個性的で思いもつかない言動をする人物を「不思議ちゃん」などと言ったりします。
でも「不思議」という言葉はもともと仏語（仏教の言葉）です。「人間の認識・理解を越えていること。人知の遠く及ばないこと。」という意味です。「不」という字は否定の文字ですから「思議」ではないことが「不思議」です。
「思議」が及ばないことを「不思議」というのです。阿弥陀様は本願を信じる信心も、お念仏を唱えることのもない私に、本願を信じる信心を与えお念仏する身にしてくださる、このことが「不思議」なのです。私たちの考えでは本願を信じるのは私のこころでありお念仏を唱えるのは私の行為です。しかし、それを私にさせているのは阿弥陀様のおはたらきだというのです。そんなことは私には信じられません。私の「思議」の範疇ではいくら考えても納得できない、この範疇を超えていくのが、本願を信じるということなのです。そしてそれができること私を超えた出来事なので「不思議」というのです。
私の分別ではありえないことが起こること、このことを信心というのです。