法名をいただく帰敬式。

法名とは仏弟子として生きる名乗りです。ですから、本来であれば仏弟子として生きる思いが起こったときにいただくもの、つまり生きているうちにいただくものです。その為に帰敬式という儀式があります。「おかみそり」とも言い、「仏」「法」「僧」の三宝に帰依し、親鸞聖人の明らかにされた「教え」にむずからの人生を問い、真宗門徒として新たな人生を歩みだすことを誓う儀式です。（ここでいう「僧」とは個人としての僧侶ではなく僧伽（仏の教えに生きる人々）を指します）
帰敬式を受式されますと、仏弟子としての名前である法名が授与されます。これから仏道を歩むという新しい人生を生きる者となったという儀式ですから生きているものが受けることに帰敬式の本来の意味があります。
ですから、法名は亡くなった方のお名前ではありません。しかし多くの場合生前に帰敬式を受ける機会がなくなくなることになりますので葬儀又は通夜の儀式の中で住職が門主に代わる形で「おかみそり」を行い法名をつけます。
形としては、生きているうちに受けるべき法名を、やむを得ず葬儀の場でいただいたということになります。
なかなか生前に法名のお話はされないと思いますが、本来の意味を知っていただけたなら、帰敬式を受けることをお考えになっていただけるのではないでしょうか。