浄土真宗では法名、戒名ではありません。

浄土真宗では「戒名」を用いません。知っている人には常識かもしれませんが、普段、仏事にあまりかかわらない方にとっては奇妙な感じを受けるようです。一般には「戒名」を言う名前をよく耳にしているからでしょう。
戒名とは、戒律を守って生きる身となることを誓った時にいただく名前です。浄土真宗では
戒律という考えはありませんから、戒名は用いません。
浄土真宗では阿弥陀様のおはたらきを「法」といいます。浄土真宗の門徒は阿弥陀様のおはたらきで救われていくのですから、そのおはたらきを信じる身となったときにいただく名前が「法名」です。
法名は「釋（しゃく）○○」という形でいただきますが、この「釋」という字はお釈迦様から一文字いただき、釈迦の弟子となったことを意味します。
また、阿弥陀如来の前では人はみな平等という考え方ですから「位牌」も用いません。位牌の「位」という文字からもわかりますように位牌は位を表す「信士・信女・居士・大姉」などという文字を用いた戒名と組み合わせてあります。
戒名と法名のどちらも亡くなった方につける名前だと思っている人が多いですが、ここまで書いてきたように、戒律を守る身となったときや阿弥陀沙mを信士るみとなったときにいただく名前ですから、本当は生きているうちにいただくものです。実際は亡くなったときにいただくことが多いですが、それは事後処理的な意味合いになります。
浄土真宗では法名をいただく「帰敬式」という儀式があります。法名をいただこうと思い立たれたなら、お手次のお寺に相談してみてはいかがでしょうか。