「災い」、今年の漢字に思うこと

是三寺

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「災い」、今年の漢字に思うこと

住職ブログ

2018/12/13 「災い」、今年の漢字に思うこと

2018年の今年の漢字が「災」に決まりました。これは一般からの応募の数で決まるそうですので、主催者の都合で決めたものではないようです。確かに今年は地震や台風といった自然災害が多く仕方がないかもしれませんが、もっと未来に希望が持てるようなもののほうがよかったのではないかと思います。多くの方が今置かれている状況に不安を抱えている表れかもしれません。
かくいう高槻も地震に見舞われ、台風の被害もありました。是三寺でも駐輪所の屋根や本堂の瓦に被害がありました。
また地震の際は横に揺れるよりも縦に突き上げるような揺れで、私自身も逃げるどころか何もできずにただ、机にしがみつくばかりでした。
地震というものは大地が揺れます。普段私たちは、地面が揺れるなどと考えて生活していません。地面はいつもしっかりと足の下にあると思って安心しています。しかし、いったんこの地面が揺れると何もできずに立ち尽くすという事実があります。
私たちのこころの在り様も同じではないでしょうか。私たちは自分の思いで立てた大丈夫なものをいくつも持っています。誰もがおのおの自分では気づかないうちにいくつもの当たり前を心に持っています。
それは、男性とは女性とはこうであるといったことや、社会人とはとか、父親とは母親とはとか、日本人とはといったようなことです。ほかにもいろいろあるでしょうが、このようなことはあまりにも当たり前に思っていて、改めて考えないような事柄です。
しかし、この当たり前が私たちを縛り苦しめているのです。
例えば、男の人であれば自分思っている男性とはこうあるべきという理想像と今ある自分のギャップに苦しむとか、反対に周りの女性に対して自分の理想の女性像を求めるとかいうことです。
しかしこのような自分の持っている考え方、常識とでもいうようなものは本当は絶対的なものではなく、周りの状況や価値観、時代背景でいくらでも変わるようなものです。
仏さまの言葉とは、私たちが持っている常識を本当にそれが大事なものなのかと改めて問い直してくるようなものです。
仏様の言葉を聞いていくというのは、ある意味で自分の立っている大地がよれ動かされることになります。しかし、それによってどんな大きな揺れに対してもしっかりと立っていられる生き方を見つけていく道ともなるのです。

 

 

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