仏教と煩悩、根本は無明

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仏教と煩悩、根本は無明

住職ブログ

2019/11/26 仏教と煩悩、根本は無明

「煩悩」と仏教は切っても切れない関係にあります。仏教の悟りとは煩悩を滅し去った状態ということです。大晦日の夜に除夜の鐘を突きますが、百八つの鐘は、人間に百八の煩悩があるのでそれらをことごとく滅ぼすために突くともいわれます。
仏教では根本の煩悩を6種類に分けます。「貪(とん)・瞋(しん)・痴(ち)・見(けん)・疑(ぎ)・慢(まん)」の6つです。
貪は貪欲、つまり「人や物に対して執着する欲」です。瞋は瞋恚(しんに)、すなわち「人や物に対して、腹を立て、憎み、忌み嫌い、恨む心」です。貪が好きで好きで仕方ない心だとすると、瞋は反対に嫌いで嫌いで仕方ない心のことです。痴は癡とも書きますが愚痴、つまり「真理道理に暗い無知、愚かさ」です。特にこの痴が本能の根本でここから貪も瞋も、その他の煩悩も起こってくると考えます。貪瞋痴(貪陣地)の三つを、特に人間という存在に根差した根本の煩悩として「三毒」ということもあります。
見は五見、すなわち「無知から起こる間違った五つの見解・判断」です。例えば、自分や自分のものといった見解、物事を善悪や苦楽や損得と分けて決めつける見方、また自分の考えが正しいと思い込む判断などです。
五つ目の疑とは、「心理・道理を疑い、仏の教えを疑うこと」で、真実の核心を得ずに自己に迷うことです。
最後の慢は「自分を誇り、他に対して高ぶる妄想」です。自分を誇る」「自慢」や、一見卑下しながら誇る「卑下慢」、真理を知らないのに知ったと思い込む「増上慢」があります。
いずれの煩悩も、人間が人間である故に起こるものでおいそれと消し去ることなどできないものばかりです。

 

 

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