「下品」とかいて「げぼん」と読みます。

「下品」というと品のないことを意味します。言葉使いや服装などに関して今日でもよくつかわれます。仏教では「げぼん」とよみます。浄土に往生するものを、その生き方によって上品・中品・下品（じょうぼん・ちゅうぼん・げぼん）と分けます。言葉遣いに気を付け身なりを整えても「上品」とは言いません。仏教の出発点は、どんな命も傷つけない、人を自分の都合で利用しない、人をだましたり欺いたりしないということです。このようなことをどれだけ守って生きてきたかによって、上品・中品・下品・が分かれます。
しかし、現実の世の中を生きていく上で知らず知らずのうちに人を傷つけることもありますしお互いにだましあったりということをしてしまうこともあります。このようなものには救いはないのかと、真剣に問いかけたのが親鸞聖人です。「下品」の生き方をするしかない市井の人々が、お互いに傷つけあうことの愚かさを知るがゆえにいよいよ仏教の教えに照らされていくとするのが浄土真宗です。その教えを通して、自分を見つめ、この世の在り方を問う目が養われていくのでしょう。