ほとけさまの「遊び」

是三寺

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ほとけさまの「遊び」

住職ブログ

2019/10/02 ほとけさまの「遊び」

「遊び」というとどのようの印象を持つでしょう。「遊び」は良い意味でも使われますし、悪い意味でも使われる言葉です。「勉強もしないで遊んでばかりいる」「を類あそびを覚えた」といった時には良い意味ではありません。一方で、「車のハンドルのあそび」というのは、ハンドルを左右に軽く回した時、タイヤが動きだすまでの余裕の部分のことで、これがあることによってハンドルを固定していても、タイヤが一定の範囲内で左右に自由に動き、クルマがまっすぐに走り、運転しやすくなるそうです。もしこのあそびがないと少しの操作で車が右へ左へとふらふらしてしまいます。また実際の道路は様々な凸凹やゆがみがあるのでそれによっても車はまっすぐ走れないのだそうです。それらの影響を受けずに簡単に誰でも車をまっすぐ走らせることができるのはこの「あそび」のおかげだそうです。
仏教では仏さまがあちこち説法して回ることを「遊行(ゆぎょう)」といいます。また現代語では「ゆうぎ」と発音する「遊戯(ゆげ)」は菩薩が自由闊達に人々を救う活動を言います。どちらも仏の境地に徹して人々を導き、そのことが自らの楽しみとなっている状態です。「あそび」とは本来は自らが楽しむ行為によって人々も楽しむという『自利利他』の状態を指しています。この『自利利他』の精神こそが仏教の根底に流れるものです。

 

 

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