「一味」のあじわい

是三寺

072-675-1790

〒569-0051 大阪府高槻市八幡町9-23

「一味」のあじわい

住職ブログ

2019/09/29 「一味」のあじわい

「いちみ」というと、うどんにかけるトウガラシのことが思い浮かびます。また、「麦〇海賊団の一味」といったように特定の集団を表すこともあります。
仏教では、釈尊の説法が一味であるという使い方をします。それは釈尊は、時や場所、相手の能力によってさまざまなお話をされたけれども、その本旨は変わらないということです。また、釈尊は、人を生まれや能力や経歴といったことで分け隔てすることなく、同じように接したということでもあります。
釈尊の説法の趣旨は同じだということはどんな人にも分かり合えるただ一つの世界があるということです。私たちは本来はこのただ一つの世界、一味の世界を生きているのです。仏典にはどれほど味が違う川の水でも、海に流れ込めばただ一つの味になるというたとえが書かれています。
この世界には多種多様な生物がいます。主として見ると3000万種を超える生物がいる中で人間、ホモ・サピエンスという種はたった1種です。日本人やアメリカ人や中国人と言ってみたり、あるいは白人・黒人・労相く人種といってみたりしますが生物の種としてみればすべて同じものです。それを国や民族、あるいは優劣や、役に立つ・立たないなどといった価値観で区別するのは「一味」の世界を知らないからです。
狭い世界で自己主張ばかりに明け暮れるのではなく、広い一味の世界に目を開くことが大切なことです。

 

 

 

是三寺
電話番号 072-675-1790
住所 〒569-0051 大阪府高槻市八幡町9-23

TOP