真宗門徒の学びとは

安田理深という先生が、学ぶということは「学問」するということだとおっしゃいました。当たり前のように聞こえますが、今のガッコでやっていることはいかにたくさんの答えを出せるようになるか、言ってみれば「学答」だというのです。最近では、いろいろの問題が噴出し、また考える力を身につけるということでいろいろ尽力されていますが、けれどもやはり、「学ぶ」ということが、「答えを学ぶ」ことになってしまっていします。正しい答えをいかにたくさん学ぶか、それが力になっていくのだという「学び」なってしまっています。このような能力は今の社会に求められるものには違いありませんが、しかしそれは人間として尋ね、問い、考えていくというそういう力をつけることにはなかなか結び付きません。人生を生きていく上で答えのない問いを自分で解決していかなければならない場面がいくつもあります。自分の人生というものを本当に大事に受け止めていく上での、本当に大事な問いとは何か。そのことを学ぶのが「学ぶ」ということであり、「学問する」ということなのです。真宗門徒の生活というのは人間としてどんな境遇にいようともそれを支えてくださる確かな道を探す、そのことを学んでいく道といえます。