お経は人生のよりどころ

お経とは仏陀の教えをまとめたものでインドの「スートラ（糸）」という言葉がもとになっています。「スートラ」が中国に伝わり「経（けい）」という漢字に訳されました。「経」とは織物のたて糸を意味します。織物はたて糸がしっかりと張られていないとよこ糸をいくら重ねいってもきれいな布がおれません。
お経は織物のたて糸にたとえられ、教えが私たちの生活の中で依り処であるということです。よこ糸は私たちが生きていく上でいろいろな体験をし、様々な人とのつながりを生きることを表します。ですからその経験や出会いを受け止めるたて糸がしっかりと張られていないと人生が一つの織物になりません。ほんとうに生きたとは言えないのです。
よりどころがしっかりしていないと、いろいろな出来事を体験しながら、それが意味を持つことなく空しく好きていくでしょう。空しく過ぎていく人生は人として生まれたものの苦しみや悩みです。仏教とは、釈尊が自分の人生の虚しさこの苦しみ悩むというところから始まりました。釋尊が仏陀となられ、私たちの生死を貫くたて糸として明らかにしてくださったものが「お経」です。