お内仏の現代的意味

是三寺

072-675-1790

〒569-0051 大阪府高槻市八幡町9-23

お内仏の現代的意味

住職ブログ

2019/06/08 お内仏の現代的意味

何度か書いてきましたように真宗門徒は、お仏壇のことを「お内仏」と呼びます。それはただ仏壇をお祀りしてきたというだけではなく、「お内仏」と呼びならわすことにちゃんと意味があったからです。
一般に仏壇というと先祖をお祀りしている場所であり、先祖への供養や感謝を表す場所、あるいは家の中に災いがないようにと祈願する場所と受け取られています。これはある意味では当然のことであり誰でもが願うことでしょう。
日頃の生活があるのはご先祖様のおかげ、と考えるのは悪いことではありません。しかし日々の生活が安定しているときはご先祖様のおかげでも。ひとたび悪いことが起こると先祖が祟っていのではないかと思う心が出てきます。今まで感謝していたものが一変して迷惑なものになってしまします。私たちのこころというものはその時々の出来事であちらこちらに揺れ動いています。
仏壇に本尊・阿弥陀如来を安置していてもお仏壇をお守りのように考えたり、お葬式や法事の時にしか必要のないものとしていると仏壇が返って私たちの心を縛るものになってしまします。
私たちの先達が「お内仏」としてきたのはお内仏が浄土の世界をかたどったもので、本来姿・形を超えた目に見えない、感じることのできない世界を私たちに見せていただいたという意味があるのです。人の思いでは知ることのできない世界からの呼びかけとして、おぶつだんを「お内仏」といただいてきたのです。
現代を生きる私たちは、目に見えるもの、触れることのできるものが世界のすべてだと思っています。しかし、私たちは心の深いところに目に見える世界だけではどうしても取り除くことのできない不安を抱えています。現代人が忘れてしまっている大事なことを思い出す呼びかけの形として、お内仏は現代にこそ大きな意味があるのです。

 

 

是三寺
電話番号 072-675-1790
住所 〒569-0051 大阪府高槻市八幡町9-23

TOP