阿弥陀如来の絵像は「方便」?

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阿弥陀如来の絵像は「方便」?

住職ブログ

2019/06/09 阿弥陀如来の絵像は「方便」?

お手次のお寺にお願いすると本山から本尊・阿弥陀如来の絵像をお受けすることができます。その絵像の裏には「方便法身尊形8ほうべんほっしんのそんぎょう)」と裏書があります。「方便」と聞くと、多くの人が「ウソも方便」というように「便宜的な手立て」「本当でない代用のもの」という意味を思い浮かべると思いますが仏教本来の意味は違います。
方便とは「ウパーヤ」というインドの言葉で「接近する」「到達する」という動詞からきています。
「唯信鈔文意」の中に「法身は、いろもなし、かたちもましまさず。しかれば、こころもおよばれず。ことばもたえたり。この一如よりかたちをあらわして、方便法身ともうす御すがた」という文章があります。
「法身」とは阿弥陀如来の本願のはたらきです。これは「いろもなし、かたちもましまさず。しかれば、こころもおよばれず。ことばもたえたり。」とあり、私たちのおもいでは届かないものです。しかしその真実が私たちに届かなければ、それは真実と言えるでしょうか。私たちの生きていく上にはたらいてこそ真実となるのです。本来見えない感じることのできないものを形としてあらわしたものが「方便」です。決して一時的な手立てではないのです。
どのような境遇にあっても、私たち一人ひとりに如来の慈悲のこころがはたらいている、つまり「方便法身尊形」と書かれているのは、本尊が単なる礼拝の対象としてのものではなく、この私にはたらき続けている法(道理)をかたどっているということなのです。

 

 

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