仏法は自らをうつす鏡

もっと快適に、もっと便利にという私たちのこころに従っているのが現代の科学や社会で、人間の知恵です。ところがどんなに便利になっても人間は満足できません。そんな姿を言い当てているのが仏教の智慧です。私たちが何を手に入れても、どんなに便利になっても満足できないのは、ほんとはもっと違うものを求めているからだと、お釈迦さまは教えてくださっているのです。
私たちのこころがこの世界の何を持っても満足できないのは、世間とは全く違う「出世間（しゅっせけん）」とい物を求めているからなのです。
こんなことは自分の中から出てくるものではありません。ただ一人。お釈迦さまだけがこのことにきずかれた。だから「仏陀」＝目覚めた人なのです。私たちのこころは一体どういうものであるのか、私たちの生きる本当の意味をお釈迦様に教えてもらうのが仏教です。仏教はお釈迦様の教え、親鸞聖人の教えを通して、私たちの心と行いを確かめる鏡のようなものです。鏡がなければ自分の姿を確かめることもできません。こんな当たり前のことに気づくことがとても大切な事なのです。