彼岸と此岸。浄土からの呼びかけ

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彼岸と此岸。浄土からの呼びかけ

住職ブログ

2019/03/19 彼岸と此岸。浄土からの呼びかけ

今日から春のお彼岸が始まります。「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があるように、春の彼岸の頃になりますと冬の寒さも終わり、花の咲く季節となります。今年は暖冬傾向だったせいでまだ桜は咲いていません。桜の花は夏に花芽が作られその後休眠し冬の寒さが刺激となって生育が進むのだそうです。冬の寒さが十分でないと生育が遅れるらしいのです。暖かいのなら早く咲くというものでもないのですね。
「彼岸会」は春分の日と秋分の日を中心に前後3日づつ一週間にわたって営まれる法要です。意外なようですが彼岸会は日本に独特のものでインドにも中国にもありません。しかし「彼岸」という言葉は仏教の言葉です。決して季節を表す言葉ではありません。浄土真宗では、蓮如上人以前の時代には彼岸会は行われていなかったようですが、吉崎時代に彼岸会を行ったということが御文の中に書かれています。以来真宗門徒は今日に足るまでお彼岸の法要を務めています。
私たちが暮らすこの世界を「此岸(しがん)」というのに対してお浄土を表す言葉が「彼岸」です。私たちが生きているこの娑婆世界から生死流転の海を渡った対岸という意味です。私たちはお彼岸を迎えるにあたり、お浄土に思いをはせ、阿弥陀如来や諸仏となられた亡き人々を偲び、仏様のおはたらきを思うことが大切です。

 

 

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