師走　十二月は僧侶が仏事や法事で走り回る？

１２月のことを師走（しわす・しはす）ということはご存知かと思います。年末は“師”が忙しく走り回るということらしいですがこの“師”にはいろいろな説があるようです。
１．「僧侶が仏事のために走り回る」、２．「御師（おし・おんし、寺社で参詣者の世話をする人）が一年で一番忙しい時期」、３．「教師が慌ただしく走り回る」などいろいろあるようです。
でも、２や３はよくわかりますが１の僧侶が仏事で忙しくなるというのはどうでしょう。
私の実感としては１２月後半にご法事が当たっている場合は少し早い目に行うといいうことはありますが他の月に比べてそれほど忙しいということはありません。
月の前半にご法事などは終わってしまう傾向にあるので、お正月の準備のために掃除をしたりお鏡餅を用意したりは結構ゆったりとやれます。
しかし、ご葬儀ばかりはそうもいきません。こればかりはいつも突然にやってきます。過去には大晦日の日にお葬式をさせていただいたこともありました。ご家族はさぞや大変なことだったと思います。
蓮如上人の御文にも「サレハ 朝ニハ紅顔アリテ夕ニハ白骨トナレル身ナリ」と書かれている「白骨の御文」（５帖目第１６通）がありますように、人の命というものははかないものです。だからこそ生きる命の喜びを教えてくださる阿弥陀如来にすべてをお任せして、お念仏することが大事なことなのです。