テレワークで気が付いた執着

コロナウイルスの感染拡大防止のためネットを使ったテレワークやリモート授業などが取り入れられることが始められるようになりました。このような技術は前々からありましたがなかなか実用的に導入することは少なかったのではないでしょうか。お寺の仕事はリモートでやることはあまりないのですが、会議などはネットを使って何回かやりました。確かに違和感はありますが慣れてしまえばそれほど不便を感じなくなりました。むしろみんなで集まる場所の確保や時間の調整などが不要になるので帰って便利に感じました。会社勤めの知り合いなども意外と便利に使えているといっています。私たちは仕事というとみんなで同じ場所に集まっていないとできないと思っていましたが、職種によっては必ずしも通勤して出社するという必要はないことがわかりました。私たちのこころにあるこうあらねばならないという思いを“執着（しゅうじゃく）”といいます。執着があると心がとらわれてしまい、視野が狭くなってしまいます。そのこと以外のものが見えなくなり何が正しいかもわからなくなります。しかし自分のこだわりというものはなかなか捨てられません。なぜなら自分では正しいと思っているからこだわっているのですから、自分の正しさを疑って初めて執着に気が付くからです。これは自分の中からはなかなか出てこない考え方です。外から自分を見ている眼でないと見えません。その外から自分を見てくれている眼こそが仏の言葉なのです。仏の言葉に耳を傾けると自分がいかに執着を持っているかに気付かされることです。