「自我」のとらえ方、洋の東西の違い

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「自我」のとらえ方、洋の東西の違い

住職ブログ

2019/11/13 「自我」のとらえ方、洋の東西の違い

現代を生きる私たちは「自我」という言葉を聞くと人格を形づくる中枢といったっことを思い浮かべるのではないでしょうか。例えば「子供が自我に目覚める」というように、人間の成長にとって必要不可欠なものとしてとらえています。
お釈迦様が生きた古代インドにも「自我(アートマン)」という考え方がありました。アートマンは人間の中心にあり生まれ変わっても変わらない本質といった意味です。つまり私たちの中には決して変わることのない「自我」というものがあるということです。しかし、お釈迦様はこの考えを否定され「無我」ということを言われました。私たちがいとも考えている「自分」というものが確固たるものではなく様々な関係性の上に成り立っているという考え(縁起)の思想です。仏教の教えでは渡地たちが確実に存在すると考えている自分というものは決して固定的なものではなく、様々な要素が絡まってできたものでその実体となるものはないと考えます。自分の実ならず、この世のものはすべて、それだけで成り立っているのではなく、お互いの関係性においていかようにも変わるものだと考えます。
このことは、人間は自由意志があり、修養や努力によって以下にでもなれることを意味しています。また私たちを取り巻く世界が変われば私たちも変わることができます。私たちは決して一人で生きているのではなく、すべてがつながった広い世界に生きている、という視点を教えてくれるのが仏教の教えなのです。

 

 

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