高層ビルと仏舎利塔

「塔」というと現代では底面積に比して高さのあるものを呼ぶ言葉となっています。神社仏閣には五重の塔や七重の塔がありますし、東京タワーやスカイツリーなどもそうです。またピラミッドを示す金字塔という言葉もあります。元をたどると中国語の卒塔婆になりその先をたどるとサンスクリット語のストゥーパに至ります。このストゥーパは釈尊の遺骨を納めた廟を示していました。日本各地の仏閣にある五重、七重の塔なども釈迦の遺骨を納めることが本来の役割です。インドや中国では土や石、または煉瓦などで造られましたが日本では木造建築が主流です。厚手の関東大震災に際しても木造の五重の塔が倒れなかったことから現代の高層建築にも、揺れることによって地震の力を逃がす木造建築の柔構造が取り入れられているそうです。
そう考えると超高層ビルも仏教の文化が取り入れられているといえます。超高層ビルを見て釈尊の教えを想起することはいささか無理がありますが、ひとつのよすがにしてはいかがでしょうか。