阿彌陀の願い－共に生きる世界－

７４年前の昨日、長崎上空に飛来したB29爆撃機「ボックス・カー」より投下された一発の原子爆弾によって、長崎は一瞬にして「死の街」へと変貌しました。８月６日、９日は日本人にとってそして世界のすべての人々にとって忘れることのできない日です。戦争という人間の愚かな行為によって、人を殺さなければならなかった、戦争をしなければならなかった、そして原爆を作り出さねばならなかったということはすべての人の中にある無明が明らかにされているといえるのではないでしょうか。人はわざわざ争うとしたいと思っているわけではありません。しかしお互いが良かれと思って行くことが時に対立を生み、争いが起こります。そこにはそれぞれの正義があり、それぞれが一番正しいことをしているだけなのに、結果は悲劇となるのです。阿彌陀の願い－共に生きる世界－を願って生きているものが気が付けば争いの渦中にいる、このようのことのいかに多いことか。
今の世界を見渡すとあの戦争に突っ走っていった時代をほうふつとさせます。私たちはもう、繰り返しの利かない力を持ってしまっています。時代は繰り返すという言葉がありますが、もうあの時代を繰り返す愚行は何としても避けなければなりません。一人一人がしっかりと考える必要を痛感します。