経典の言葉と科学

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経典の言葉と科学

住職ブログ

2019/07/22 経典の言葉と科学

経典を現代の言葉に表すといろいろ不思議な描写が出てきます。阿弥陀如来は法蔵菩薩であったとき五劫という長い時間、思惟されて阿弥陀如来となられた。劫とは時間を表す言葉で「一辺四〇〇〇里の岩を天女が100年に一度羽衣でなでていき、その岩がなくなる時間」などとたとえられます。そんな長い時間この宇宙が始まってから今までかかっても無理だろ、というのは科学的な説明です。この気の遠くなるような時間は阿弥陀如来が過去現在未来のあらゆる時間人間の救済を考えられたという比喩です。仏教の言葉というのは科学ではありません。仏教は人間がいかに生きるかを考えています。科学では人間がいかに生きるかに答えることはできません。わたしたちは、ただたんに「産み落とされたもの」として生きるのでしょうか?それとも、この世に生まれようとして、生まれ出てきたのでしょうか。どちらの人生を生きるかということです。私たちが、気が付いたらこの世にこういうものとして生まれていた、その自分の事実をどう受け止めるかということです。
それを、親のせいだ、頼んだ覚えはないと、そういう形で生きていくのか。それとも、これよりほかに自分の命の具体的な姿はない。この人生は、渡した自分で生きようとして生まれてきたのだと、人生を自分の責任として受け止めて生きていくのか。ただ産み落とされて生きていると受け止めるのか。そうではなくて、やはり私の中に行きたいという願いがあるのだと、そういう願いをもってこの世に生を得たんのとして生きていくのか。あなたはどちらの人生を選ぶのかという問題です。

 

 

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