法事、法要の後の食事は精進料理？

先日、父の七七日（四十九日）法要をしたのち参加いただいた方々と会食をしました。近くのお店で法要向けの献立ということでお願いしましたが、いわゆる精進料理ではなく、お肉やお魚も出てきました。浄土真宗では三区食を禁じてはいませんので問題ありませんが、他宗でも法要の料理を精進料理とすることは少なくなって来ているのではないでしょうか。精進料理というと今では健康志向のメニューという感じさえします。
この「精進」という言葉はもともとは「努力」という意味で肉や魚を伴わない料理を指す言葉ではありません。
お釈迦様が言われた「八正道」というものに出てきます。八正道とは「正見」「正思」「正語」「正業」「正命」「正精進」「正念」「正定」の八つの修行のことです。ここでいう「正」とは正しいという意味です。ですから正精進は正しい努力ということです。でも正しい努力とはどんな努力のことでしょう。私たちは自分で経正しいと思っていることをしていますが、他の人にとっては正しくないということもあるでしょう。ここでいう正しいとは結果や損得など自分の都合で判断するのではなく、お釈迦様の教えをよりどころとした偏りのない、という意味です。
精進料理というのは偏りのないバランスの取れた食事と考えると、いま私たちが抱く健康志向の料理という意味が正しいとも思えますね。