浄土真宗は問いから始まる教え

先日、聞法会で「真宗は問いから始まる教え」という言葉を聞きました。
ある言葉が自分に響いてくるかどうかは話す側の問題ではなく聞く側の問題であるということです。同じ言葉でも人それぞれによって受け取り方が違います。すべての人はそれぞれ違っています。生まれて育ってきた環境も違えば、能力も違います。生活している場所も生活の仕方もみんな違います。ですから同じ言葉に対してもみんな違った思いで受け取ります。その人が今何を求めているのかどんな問いを持っているのかによって入ってくる言葉の重さや意味合いが代わってくるということです。
私たちは普段の生活に追われて、日々を過ごすことに精いっぱいでなかなか自分を振り返ることができません。あるいは今の生活に安心を求めて、心の中にくすぶっている不安を見ないようにしています。でも本当に今の生活が自分の満足できるものでしょうか？金銭的なことや社会的地位などのことではありません。ほんとうに今自分は自分の人生を満足して生きているのかということです。このような問いかけが無いことにはどんな言葉も響いては来ません。答えの深さはその問いかけの深さに応じているのです。
真宗の言葉がわからないというとき、自分の中にある問いがなんであるのか考えてみるべきかもしれません。