法事の際のお斎について

ご法事ののちにお参りいただいた方々と食事をすることをお斎（とき）と言います。この時遺影を持参し、その前にお膳を供えるる方がおられます。料理屋さんなどを利用しますと「影膳」などの名称で遺影の前の膳を用意している場合もあります。生きているものが飲み食いしているので、故人にも何か差し上げたいというお気持ちからなのでしょう。宗旨によっては命日や年忌法要、お盆・お彼岸などにお供えするお膳があります。
このようなお膳には亡き人へ功徳を振り向けるという意味があるのでしょう。でも、浄土真宗は阿弥陀如来のはたらきである本願によって浄土に生まれさせていただくという教えですから、私たちから功徳を振り向けるということはありません。私たちが阿弥陀みょらいから功徳を差し向けていただいているのです。
亡くなられた方に対しても私たちに仏法を伝えていただいた方、諸仏として阿弥陀如来と同じように私たちに功徳を差し向けて下さる存在としていただきます。ですからお膳を用意する必要はありません。
仏前は亡き人に功徳を振り向けるところではなく、逆に私たちが教えをいただくところです。ですから、お膳を用意する必要はないのです。