真宗門徒と位牌

浄土真宗では位牌はいりません、といってももうすでにある、という場合もあります。新しくご縁ができたお宅におお伺いすると、先代の方が用意していたり、母方の親御さんのものを持ってきていたりというケースです。そのような場合はお参りの際に位牌を用いない理由をお話ししてご納得されたうえで取り除いていただくようにしています。
いろいろなおっもいがありますのですぐに取り除いていただけないことも多々ありますが、急がずにお話しするようにしています。
また、そのお家の方にとっても、位牌をどうしようかという問題にあたってみることは悪いことではないと思います。私たちは普段常識と考え疑いもせえずに行っていることがたくさんあります。その中には本当はとんでもない行いもあるかもしれません。そのような無意識の行いに対しても今一度考えてみるきっかけになるかもしれません。仏教では煩悩の原因を無明であるといいます。無明というのは無知といことですが、これは単にものを知らないということではなく、知らないことを知らないということです。なぜなら私たちは自分の常識と考えることを正しいと思っているからです。自分自身をうたがうということはなかなかできるものではありません。自分を知るということは仏の智慧に照らされてはじめてわかることなのです。そのために私たちは仏の言葉を聞かなければなりません。聞法をするとは仏の言葉に自分が照らされるということです。
位牌を必要だと思っていた常識を疑うことで自分が狭い考えにとらわれているのではないかと疑問を持つことが仏法を歩むきっかけになるのではないでしょうか。