葬儀について家族に託すこと

「家族に迷惑をかけたくない」といって自分の死後、葬儀についてあれこれと言い残していく方がおられます。確かに残された方々が困らないようにとに気遣いから生前にできるだけのことはしておこうという思いからだと思います。しかし、あまりに細かく指示を残したり、残された家族の方の意向を十分に理解していない場合もあります。残されたご家族は丁寧に送り出したいお気持ちがあるのに、「葬儀はしないでくれ」「僧侶は必要ないから見送りだけにしてほしい」と言い残したりするのはどうでしょう。いまでは「無宗教葬」「直葬」という言葉もちらほら聞くになりました。このような形で葬儀をするとなると、残されたご家族も親戚の方々への説明に困ったり、トラブルになったりすることもあるでしょう。

元気なうちによく話し合っておけばいいのでしょうが、生前から葬儀の話をすることはなかなか難しいでしょう。
自分の死後に関してまでいろいろ指図するということは、ある意味で傲慢な態度ともいえるのではないでしょうか。ご家族を信頼していないともいえるのではないかと思います。人というものはどこまでも自分の思いを通したいと思うものですが、死んでまで自分の思いを通したいというのはどうでしょうか。
いろいろ心配しなくても、きっとご家族が協力してできるだけのことはしていただけると、後を託してみてはいかがでしょうか。たとえ、いろいろ苦労なさったとしても、そのことがいずれは意味のある経験となって生きてくることでしょう。