浄土真宗の教えで幸せってどういうことでしょう -4 人間らしい「苦」というもの

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浄土真宗の教えで幸せってどういうことでしょう -4 人間らしい「苦」というもの

住職ブログ

2018/11/29 浄土真宗の教えで幸せってどういうことでしょう -4 人間らしい「苦」というもの

命のあるもので「生老病死」から逃れられるものはいません。犬も猫も魚でも、動物だけでなく植物でも生老病死していきます。でも「生老病死」からくる不安を感じるのは人間だけでしょう。きっと動物はそんな不安を感じてはいないと思います。
我が家には今猫が4匹います。坊守が野良ネコを平ってくるので、時々増えますが野良ネコはなかなか家になじまないので大体4匹くらいでいることが多いです。一番古株の猫はもう15年くらい、いますので人間で言うと70歳くらいのおばあちゃんです。でも自分が年を取ったことをはかなんでいる様子はありません。相変わらずご飯をねだって、食べたら満足して日向で寝ています。どう見ても明日の不安を感じているようには見えません。草や木が生老病死を受け止められずに自暴自棄になってしまったなどということはありません。
しかし私たち人間は他の生き物のようには生きられません。私たちはいつも、損か得か、上か下か、良いか悪いかそういうことが気になって、他の生き物のように“ただ生きる”ということができずにいます。
ただ生きる、ただ歩む、ひたすら生きるということができなくて、生老病死を受け止められずなんとなく落ち着かない。何となく不安だということになります。
しかしそれは、犬や猫とは違う人間だけが感じることのできる不安です。人間であるがゆえに感じる、自分の一番深いところから出てくる大事な大事な人間らしさでもあるのです。
ですからゴーダマの感じた「苦」というものは、人が人であるための一番大事な「課題」であるといえるのです。(つづく)

 

 

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